介護の施設形態で良く聞くのが特養(特別養護老人ホーム)と老健(介護老人保健施設)です。公共の介護施設のために、どちらも同じようなものと捉えている人もいるのではないでしょうか。しかし、この2つの施設は特徴の異なる別の存在なのです。
ちなみに、今回紹介する特養と老健以外の介護施設も施設形態によって特徴があるため、よく調べておくと良いでしょう。
特養は、要介護度3以上の高齢者が対象です。また、最終的な看取りまでを行う施設も多く存在しています。必然的に利用者は、認知症の程度が重かったり、寝たきりとなっている高齢者の割合が多くなります。
一方で老健は、要介護度が1の高齢者でも受け入れが可能。中には要介護度3以上の利用者もいますが、基本的には介護度が低い高齢者が主です。
利用条件においてこのような違いがあるために、そこで勤務する場合にも仕事内容は異なります。
特養は食事や入浴・トイレなど、全てをサポートしなければならず、肉体的な負担は非常に重いです。しかし、利用者に穏やかな余生を過ごしてもらうことが基本的な介護目的のため、笑顔で話しかけたりレクリエーションを工夫したりするうちに、介護者自身も笑顔になることも多くあるでしょう。
老健は、まだ要介護度が低い元気な高齢者を相手にすることになります。少しでも身体の機能を回復させるということが介護目的で、ケアの内容もリハビリに重点がおかれています。そのため、介護における肉体的な負担はそこまで大きくはありませんが、人生経験の長い高齢者と向き合った際に、対応に苦慮するケースがあるでしょう。精神的な面での負担は、老健の方が大きいと言えるかもしれません。